スマホはどうやったら使えるの?
従来までのSIMカードの考え方
スマートフォンは、SIMカードという媒体を利用することによってその会社のサービスが使えるようになっています。SIMカードは、スマートフォンなどの携帯端末でデータ通信をするためにとても大切なカードです。近年利用されているいわゆるスマホの中には、小さくて薄いカードが挿入されています。
このカードの中には、スマホ内部で扱うことが可能なデータ通信に関する機能が入っていますので、SIMカードが存在しないとスマホは通信機器として利用することができなくなってしまいます。一般的に、SIMカードを提供している会社は移動体通信事業者、またはキャリアと呼ばれています。
代表的な会社にドコモやソフトバンク、auなどと言った会社がありますが、これらの会社と個別に契約をすることによって、SIMカードを利用した通信ができるようになるのです。ただ、SIMカードがないとデータ通信をすることはできなくなりますが、媒体の中に入れている音楽のデータやカメラ機能などは使えますので、SIMカードが使えなくなった端末に関しては二次的にそれらを活用することも可能です。
従来までの日本国内では、国内で利用できるスマホのSIM機能にロックをかけて他の会社のものには利用することができないようにしていることが多かったので、一つの会社に付き一つのSIMカードしか使えないことが基本だったという背景があります。
法律でサービスが変わる
ただ、SIMカードに関する考え方は近年でかなり変化しつつあります。これは、2015年にSIMロックに関する法律的な義務が変わって、ロックをするのではなく解除をしなくてはならなくなったからです。
それぞれSIMカードを提供していた会社は、それまで限定的に行われていたSIMに関するサービスをより広範に利用できるように法律によってSIM解除が義務付けられました。これによって、より安くて便利なSIMに関するサービスを消費者も利用できるようになったのです。
画期的なSIMフリー
SIMロックの解除が義務付けられるということは、それぞれのキャリアで提供していたSIMカードのサービスに隔たりが無くなるということを意味します。スマホはどこであっても購入することが可能ですので、SIMカードを購入した後は自身が買ったスマホに挿入することで自由に通信データを利用することが可能になります。
つまり、わざわざキャリアごとに提供されているSIMカードに限定してサービスを利用する必要がなくなったわけです。一般的なSIMフリーの利点は以下のようにまとめることができます。
- キャリアのSIMを選択する必要がない
- プランの選択肢が広がる
- 海外でも自由に使える
この中でも、特にわかりやすいメリットが海外でも自由に利用できる点でしょう。仮に、海外に旅行に行った時に訪問先で何らかの連絡や通信をしたくなったときには、現地のSIMカードを購入することによって旅行先の電話料金で自由にスマホを使うことができるようになります。
文字通り、SIM関連で幅広い選択が可能になるのです。日本国内のキャリアの中には、海外で利用すると通信が不安定になってしまうところも現実的に存在しますが、SIMフリーならばこうした問題点も容易に解決できます。
SIMフリーは格安で設定されている
MVNOの役割
SIMフリーは、キャリアのプランと違って格安で利用できるメリットがあります。基本的に、SIMフリーを利用するときには格安のサービスを提供しているMVNOという業者が提供しているプランを使うことが可能です。MVNOは、仮想移動体通信事業者の略で本来のキャリアから通信インフラを借りている事業者全般のことを指しています。同じような通信事業者でも下記の違いがあるので知っておきましょう。
MVO…ドコモ、ソフトバンク、auなど。
MVNO…上記の会社からインフラを借りている業者。
MVNOは、格安SIMで無料通信ができるメリットがあるだけではなく、その通信速度が他の無線通信と比較して安定しているというメリットがあります。これは、大手のキャリアの通信インフラを利用しているからで、データの送受信に関する安定的な基盤が既に出来上がっているからに他なりません。
気軽に通信の契約ができる
MVNOが大手のキャリアと比較して契約数を伸ばしているのは、気軽に契約ができるという背景もあります。普通、大手のキャリアでSIMカードを提供してもらうためには店舗に行って契約をしなくてはいけませんが、MVNOではインターネット上のやり取りの中で契約が出来てしまうメリットがあります。
また、格安スマホを利用したSIMフリーでは契約期間の縛りなどがなく、スマホ特有の中途解約による多額の違約金も相手から請求される心配もほとんどありません。
- 通信が安定している
- 費用が安い
- 契約がしやすい
面倒な手続きを避けたい人にとっては多くのメリットがある通信サービスです。
通信の料金プランとメリットを比較しよう
月額の料金は500円?
スマホの機能に対して何を求めるかによってプランはかなり異なりますが、単純にデータ通信だけしか行わないと仮定すると、格安で月額500円程度のプランも提供されています。一般的な電話の機能やインターネットの機能を加えても倍の1000円程度で使うことも可能なサービスがありますので、この点に関しては消費者の用途に応じてプランを比較しなくてはいけません。
- 格安SIM…月額で最低500円から1000円のサービスがある。
- キャリアのSIM…平均で5000円以上が多い。
スマホであまり時間をとらない、スマホを利用しない人は確実に格安SIMの方がお得になります。
格安SIMにデメリットはないのか?
格安SIMでデメリットを挙げるとすると、以下の2点が挙げられます。
- キャリアとの通信速度
- 自己責任
確かに、大手のキャリアから通信インフラを借りることは事実なので普通の無線の通信と比較すると通信速度は速いのですが、本場のキャリアの通信速度にはさすがに勝てません。特に、格安SIMには最初から決められた通信料が設定されていることが少なくなく、その許容量をオーバーしてしまうと途端に速度が遅くなってしまうことがあります。
これに関しては、業者ごとに一日の中でも容量が決められていて、その容量がオーバーした時点で速度を制限するトリガーが発動するようになっているところが多いです。そのため、通信速度に関しては無線の中では速いですが、キャリアほどの通信速度は期待できないと考えておきましょう。また、格安スマホや格安SIMでは自己責任の度合いが強いということも知っておかなくてはいけません。
一般的に、格安のサービスを利用するためには提供する会社側もそれ以外の必要経費を削減しなくてはなりませんので、格安スマホや格安SIMに伴うアフターサービスなどが実施されていないことが多いです。そのため、仮にこれらのサービスを利用して故障などをしてしまったとしても自力で何とかしなくてはならず、自己責任の度合いが強くなっています。
また、格安SIMを利用する人はある程度スマホに慣れている人、知識がある人と考えられていますので、本来ならばキャリアに任せることが可能な初期設定も全て自身で行わなくてはいけません。ただ、こうした問題点を考慮しても従来型のキャリアのSIMに比べると遥かに安くて便利なのは違いありませんので、よく比較して通信サービスを検討することが大切です。